○安平町文化財保護条例
平成18年3月27日
安平町条例第160号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び北海道文化財保護条例(昭和30年北海道条例第83号。以下「道条例」という。)の規定に基づき指定を受けた文化財以外の文化財で、安平町の区域内に存するもののうち、町にとって重要なものについて、その保全及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の教育文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 有形文化財 建物、絵画、彫刻、工芸品、典籍、古文書、書跡、考古学資料その他の有形の文化的所産で、歴史上又は芸術上若しくは学術上価値の高いもの
(2) 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値の高いもの
(3) 民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣及びこれに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、町民の生活の推移の理解のため、歴史上又は教育上必要と認めるもの
(4) 記念物 貝塚、古墳、碑、旧宅、家屋その他の遺跡で町にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、峡谷、橋りょう、山岳、湖沼、河川その他の名勝地で町にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む。)で町にとって学術上価値の高いもの
(財産権などの尊重及び他の公益との調整)
第3条 安平町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(町民及び所有者等の心得)
第4条 当該文化財の所有者又は保持者及び権原に基づく文化財の占有者(以下「所有者等」という。)並びに町民は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、その保全に努めるとともに文化的活用に協力しなければならない。
(文化財保護委員会の設置)
第5条 文化財の保護については、教育委員会の諮問に応ずるため、安平町文化財保護委員会(以下「保護委員会」という。)を置く。
2 保護委員会の組織及び運営については、教育委員会が別に定める。
(指定)
第6条 教育委員会は、第2条に掲げる文化財のうち、町にとって特に文化的価値が高いと認めるものを、所有者等の同意を得て安平町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項に規定する町指定文化財のうち、無形文化財の指定を行おうとするときは、当該無形文化財の保持者を認定しなければならない。
(解除)
第7条 教育委員会は、前条第1項の規定により指定した町指定文化財がその文化財としての価値を失った場合又はその他特別な理由があると認めたときは、指定を解除することができる。
2 町指定文化財が町内に所在しなくなったとき又は国若しくは道の文化財として指定を受けたときは、前条の指定は解除されたものとみなす。
(指定又は解除の告示)
第8条 教育委員会は、前2条の規定により文化財の指定をし、又は解除をしたときは、速やかにその旨を告示しなければならない。
(保存及び管理)
第9条 教育委員会は、所有者等に対し、町指定文化財の保存又は管理に関し、必要な指示又は勧告をすることができる。
2 所有者等は、前項の指示又は勧告に従い、当該町指定文化財を保存し、又は管理しなければならない。
3 教育委員会は、町指定文化財の管理に関し、必要があると認めたときは、所有者等の同意を得て、安平町郷土資料館その他適当な施設に管理させることができる。
4 教育委員会は、町指定文化財の保存上必要があると認めたときは、関係者の同意を得て、施設又は地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止することができる。
(所有者等の変更などの場合の届出)
第10条 次の各号のいずれかに該当するときは、所有者等は、速やかに教育委員会に届け出なければならない。
(1) 町指定文化財の所有者等が変更したとき。
(2) 町指定文化財の所有者等が氏名、名称又は住所を変更したとき。
(3) 町指定文化財の所在する場所を変更しようとするとき。
(4) 町指定文化財の所在、地番、地名又は地積に異動があったとき。
(5) 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。
2 町指定文化財である無形文化財の保持者が死亡し、若しくは保持者として不適当になったときは、前項の規定にかかわらず、相続人又は保持者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(現状変更の制限)
第11条 所有者等は、町指定文化財の現状を変更しようとするとき又はその保全に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、修理その他維持の措置をする場合は、この限りでない。
2 教育委員会は、前項の許可について必要な指示を与え、又は条件を付すことができる。
(修理の届出)
第12条 所有者等は、町指定文化財の修理その他維持の措置をしようとするときは、あらかじめ教育委員会に届け出なければならない。ただし、前条第1項の規定により許可を受けた場合は、この限りでない。
(調査及び報告)
第13条 教育委員会は、必要があると認めるときは、所有者等の同意を得て町指定文化財を調査し、又は所有者等に対し、管理の現状若しくは修理の状況について報告を求めることができる。
(補助金)
第14条 町指定文化財の管理又は修理若しくは保存につき多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、教育委員会は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
(有償譲渡の場合の納付金)
第15条 教育委員会が前条の規定により補助金を交付した場合において、その補助を受けた町指定文化財の所有者等又はその相続人、受遺者若しくは受贈者が当該町指定文化財を他に有償で譲り渡したときは、町長は、その譲渡人に交付を受けた補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。
(公開)
第16条 教育委員会は、町指定文化財の所有者等に対し、教育委員会の行う公開の用に供するため、期間を定めてその文化財を出品し、又は公開するよう要請することができる。
2 前項の規定による出品又は公開により、その文化財が滅失又は損傷したときは、町は所有者等に対し通常生ずべき損害を補償する。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年3月27日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の早来町文化財保護条例(平成12年早来町条例第9号)又は追分町文化財保護条例(昭和46年追分町条例第15号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の規定によりなされたものとみなす。