近年、全国的に顧客等からの著しい不当要求行為等(いわゆる「カスタマーハラスメント」)が注目され、北海道においても『北海道カスタマーハラスメント防止条例』が制定されるなど、こうした行為を防ぐための対策が社会全体で急務となっています。
安平町におきましても、来庁者や電話・電子メール等による不当要求行為等に対して、組織として毅然とした姿勢で対応するため、令和5年7月に「不当要求行為等対応マニュアル」を策定するとともに、基本的な対策項目を定め、これに基づき対応してまいりますので、皆様のご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
不当要求行為等に該当する行為とは
「不当要求行為等」とは、苦情や要求の内容が不当ということではなく、不当な手段や社会常識を逸脱した行為によって苦情の申し出や要求をしてくる行為を意味し、具体的には以下のような行為などがこれに該当します。
【不当な手段の例】
①暴力行為
殴る、蹴る、叩く、物を投げる行為や体に直接触れなくても、机や壁などを叩く、イスを蹴るなどの行為。また、手を上げるなど暴力を連想させる行為
②脅迫行為
大声を出す、威嚇する、不安をあおったり威圧感を与える行為(「お前を殺してやる」「自宅に火をつけてやる」「言うことを聞かないとただではおかないぞ」など)
③面会等を強要する行為
断ったにもかかわらず強硬に面会を要求してきたり、町の事務執行に非がないにもかかわらず、不当に謝罪を要求するなどの行為
④誹謗中傷、名誉棄損
個人的な名誉や人格を傷つける言動、中傷する文書の配布やSNS等によるインターネット上への掲載などの行為
⑤業務妨害
退庁を求めても応じない、占拠する、居座る、頻繁に来庁する、長時間にわたる一方的な電話や面会への応対を強要するなど、業務に支障を来す行為
【社会常識を逸脱した行為の例】
①対応や回答ができない質問や要求をしてくる行為
②実現不可能なこと(「法令の適用範囲を拡大せよ」「制度の解釈を変更して許可せよ」など)を要求してくる行為
③安平町以外のことに関して要求をしてくる行為
④「仕事の関係だと」言い、職員につきまとう行為
不当要求行為等への対応の基本原則
安平町は、行政サービスの利用者等からの要望や意見には、それぞれの事情に配慮した上、真摯に耳を傾け、丁寧に説明するなど適切な対応に努めます。
一方で、不当要求行為等と判断した場合、または不当要求行為等のおそれがあると判断した場合は、職員を守るため、組織的に対応する、記録は必ずとる、状況よっては警察へ通報する、弁護士へ相談するなど、法的な対応も行います。
不当要求行為等に対する基本的な対策
基本的な対策として下記の事項を実施しています。
①啓発ポスターの掲示等
町民に不当要求行為等について広く知ってもらい、これを防止するための啓発ポスターを窓口等に掲示します。
町HPに専用ページを設け、啓発ポスターや町の具体的な対策を常時掲載します。
②不当要求行為等対応マニュアルの随時見直し・定期的な職員周知
電話、面談等で不当要求行為等が疑われる事例に対し、組織的な対応を行うため職員用に策定した「安平町不当要求行為等対応マニュアル」を適宜見直しするとともに、定期的に職員周知を実施します。
③職員研修による接客対応の向上強化
「不当要求行為等(カスタマーハラスメント)」と正当なクレームの違いなどについて共通認識を図り、職員研修などを通じて接客対応の向上を図ります。
④ネームプレートの表記方法の変更
インターネット等による誹謗中傷を防ぐため、職員のネームプレートの表記方法を「ひらがな(苗字)」に変更します。
⑤該当行為に対する電話録音・カメラ録画の実施
接客対応の向上、公平な執務執行の確保、犯罪の防止、職員に対する不当な圧力の排除を目的に、該当する行為が発生した際には、電話録音及び庁舎会議室に設置したカメラ録画を行います。
⑥職員に対するケアの強化
不当要求を受けた職員の孤立化を防止するため、組織的な対応を基本とし、必要に応じて「不当要求行為等防止対策委員会」を開催するとともに、顧問弁護士・警察との連携を強化します。
