第8回FP講座「キャッシュレス決済のあれこれ」
最近、良く聞くキャッシュレス決済。お得なポイント還元などがありますから、すでに、いろいろなキャッシュレス決済を使いこなしている方もいれば、気になるけどよく仕組みがわからない、セキュリティが心配、などでなかなか始められない方も多いでしょう。
今回はキャッシュレス決済の仕組みや使い方、注意点をご案内いたします。
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済とは、消費者が商品などを購入する際に現金以外で決済することです。
キャッシュレス決済の主な種類
種類 | 決済方法 |
---|---|
クレジットカード | 後払い |
デビットカード | 即時払い |
ICカード(非接触型) | チャージなどから |
○○ペイ | チャージなどから |
上記以外にも図書カードやクオカードなどのプリペイドカードもキャッシュレス決済になります。
クレジットカード
年配者にもお馴染みの、昔からの代表的なキャッシュレス決済です。店先などでカードを掲示して買い物をしたあと、翌月もしくは翌々月にクレジットカード会社に買い物代金を払います。
登録している銀行口座から引落としされるので、口座残高が不足すると引落しできないので注意が必要です。
クレジットカードの上手な使い方としては、何枚も持つのではなくメインカードを1枚、サブカードを2枚くらいに抑えると、ポイントを効率よく貯められますし、自己管理もしやすいでしょう。
デビットカード
カードの形状はクレジットカードと同じ仕様ですが、買い物時に提示すると登録している銀行口座からその場で引落しになります。
ですからクレジットカードと同様に口座残高には注意が必要です。しかし即時払いということで、クレジットカードをつい使いすぎてしまう人にお勧めです。
ICカード(非接触型)
ICとは集積回路。カードにICが埋め込まれています。交通系と流通系があり、普段から街なかでも良く名前を聞くカードだと思います。ちなみに最近はICチップ付きのクレジットカードも増えてきています。
基本的にはそれぞれのカードに端末の機械から現金をチャージ(入金)して買い物などをしますが、大体のICカードはクレジットカードと連携(ひもづけ)、クレジットカードからオートチャージできるようになっています。
流通系カードは、特定の日に買い物をすると割引を受けられたりするので、その系列の店で頻繁に買い物する人にはお得なカードです。
○○ペイ
一般的にはスマートフォンに○○ペイのアプリをインストールして使います。上記3つの決済よりも歴史の浅い決済方法ですから、使ってみたいけどどうなの?と一歩踏み出せない方も多いでしょう。
たくさんのペイがありますし、それぞれ特徴や還元率などが異なります。
チャージ方法も銀行口座とひもづけしたり、コンビニの端末でチャージしたり、クレジットカードからオートチャージできたり、もしくは電話料金と合算払いで後払いできたりと、ペイによってさまざまです。
まだまだペイを使える店が多いとは言えませんし、店によっても△△ペイは使えるけど、□□ペイは使えないなど、使い勝手は発展途上です。
○○ペイの上手な使い方
現金払いなら財布から紙幣や小銭を出すだけ。クレジットカードも財布などから出し提示(現在は客が自分で読み取り機で操作する)するだけ。
ところが○○ペイはクレジットカードやICカードと違い、スマホの画面をかざして使うという方法なので、ペイ初心者は店先で戸惑うことがあると思います。これには残念ながら「慣れる」しかありません。
例えば○○ペイをレジで使うときには、店側にスマートフォン画面のQRコードを読み取ってもらう場合と、購入者がレジに置いてある○○ペイのQRコードを読み込む場合と2通りあります。店によってどちらかなのですが、これも最初は戸惑うでしょう。
○○ペイをスマートに使うためのコツは「レジに並ぶ前」にスマホ画面に○○ペイを表示させておくことです。操作がわからないからといって、店側は何もしてくれません。慣れるまでは準備できることは準備しておきましょう。
慣れるためには、最初はよく行く店で利用できるペイを選ぶといいでしょう。クレジットカードなら大体の店で使えますが、ペイは前述した通りその店が導入しているペイしか使えません。
マイナポイントについて
今年9月から始まったマイナポイントは、昨年の消費税増税による負担軽減対策の一つです。あらかじめ申込をしてからキャッシュレス決済を利用すると25%のポイントが還元されます。2万円分の買い物かチャージで最大5000ポイント貰えます。
国の施策ですから予算があり先着4000万人ですが、2020年10月現在、まだ申し込みを受け付けています。
マイナポイント事業
https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/
マイナポイントをもらう手順
まず顔写真付きの「マイナンバーカード」を取得します。交付申請書(通知カードの下に付いている)が手元にあれば、郵送でもPCでもスマートフォンでも申請できます。通知カードとは顔写真が付いていないマイナンバー通知書のことです。
申請後、「交付通知書」が届いたら役所にマイナンバーカードを取りに行きます。
手元にマイナンバーカードが準備できたら次は「マイナポイント」の予約と、キャッシュレス決済をどれにするか選んで申込みします。
この予約と申込みはスマートフォン(機種による)やPC(ICカードリーダーが必要)で操作できるのですが、役所にマイナンバーカードを取りに行ったときに役所の窓口でもできるので、そこで一度に手続きしたほうが簡単です。
キャッシュレス決済のあれこれ:注意点とまとめ
注意点はセキュリティ対策をしっかりとすることです。残念ながら個人がどんなに頑張っても万全な対策は難しいのですが、やらないよりはできることをやっておくことです。
まずスマートフォンは必ずパスワードをかけて紛失時・盗難時に備えます。○○ペイを使っていなくてもスマートフォンには個人情報がたくさん入っているのでパスワードは必須です。
さらにパソコンもスマートフォンもネット上での各操作(ペイに限らずSNS,メールなど、個人情報を入力するソフトやアプリ)では、セキュリティ対策として「2段階認証」が推奨されていますから面倒がらずに設定しましょう。
またペイやクレジットカードの利用履歴は定期的に確認します。不正利用時の補償については各社によって相違がありますが、不正利用を早く見つけるためには利用履歴のこまめな確認が大事です。
最後に。キャッシュレス決済によるポイント還元などはタダではないということです。個人情報を提供しているということを承知したうえで、賢くスマートに利用しましょう。