作曲家の思い
青葉 紘季(あおば ひろき)さん
既存の校歌っぽくなくということは念頭に置きつつ、かといって今の流行歌のようなものに落とし込むのではなく、日本の音楽史の中で長年受け継がれてきている日本人の中に脈々と流れる心の琴線のようなものに響くものをという想いで書きました。
9年制ということもあり、変声期を迎える子供ももちろんいる中で音域をどこに設定するかは悩みましたが、成長して高い声が出せなくなった子がオクターブ下で歌ったとしても多少の歌いごたえのようなものがあればと思いこのキーに設定させていただきました。
今の子供たちは多種多様なジャンルの楽曲を見聴し、さらにダンスも当たり前の文化として根付いていると思います。この楽曲も2番はサビへ行かないという最近の流行歌にあるつとめてコンパクトな構成という点ではそこを加味した建て付けにはなっていますが、あくまで校歌は<かっこいいもの><新しいもの>である必要はなく、それよりも親しみやすいものであって欲しいということを考え、たとえ歌が苦手な子でも歌える、なるべく覚えやすく口づさみやすい音符数、メロディの組み立てにしました。
何度も街を訪れ、子供たち、関係者の皆さん、街の方々、空気に触れ、その想いや期待を僕のフィルターに通して出来上がった作品です。
これは偶然出来た曲ではなく、みなさんとお互いに心を重ねることで必然的に出来た曲なのだろうと思っております。
この楽曲が一人一人の想い出に寄り添っていつまでもみなさんの心の中で響き続ける作品になってゆくことを願っています。