こんにちは保健師です。

Vol.37 ~赤ちゃんの生活習慣病~ 2016年 6月発行

 (文・辻原保健師)

 5月号では、妊婦さんの生活習慣病についてお話しました。6月号は、赤ちゃんの生活習慣病についてお話しましょう。

赤ちゃんでも生活習慣病になるの?

 「生活習慣病」とは、適切でない生活習慣によって起こる病気のこと。赤ちゃんは、まだ生活の習慣が形成される前の段階ですが、食べることや体を動かすことの基本はこの時期から備わってきます。

赤ちゃんの運動

 乳児期(生後12か月まで)の体格はカウプ指数(※)という単位で計算します。標準値はありますが、この時期は標準値を超えても成人の肥満との因果関係はないと言われています。しかし、体重が増え過ぎると体が重くてなかなか寝返りができなかったり、うつ伏せで上半身を上げ、手で支えることが大変だったりと運動の発達に影響が出る場合があります。
 体が重くて自分で動くことが大変になると、ハイハイして動き回ることが少なくなります。それでも1歳前後にはたいてい立ち、歩き始めるので、その差はあまり気づきません。しかし、ハイハイは腕や手、脚や背中の筋肉などからだ全体を協応させなければならない全身運動で、乳児期の大切な経験のひとつです。その後の体を動かすバランス感覚や手先の器用さに差が出るといわれています。
 乳児期の運動経験はその後の運動に影響します。体を上手に動かせると楽しくなり、また動かします。その経験が多いと体を動かすことが好きになります。体を動かすことが好きになると、小学校に入ってからの肥満も予防できます。
 赤ちゃんが「楽しい」と感じる体を使った遊びを積極的にやりましょう。

カウプ指数とは、赤ちゃんの栄養状態や体格をみるときの参考にする指数のこと。

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「食べること」のはじまり

 生まれたばかりは母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんも、6、7か月頃になると離乳食を開始します。ドロドロから始まり、徐々に形のあるものを食べるようになります。離乳食の食べ方には個性があるので、たくさん食べれば良いというわけではありませんが、あまり食べないからといって「おやつ」を与えるのはお勧めできません。「O歳から」と書いて市販されているおやつやジュースは、味が濃く、その味に慣れると手作りの離乳食やおやつを食べなくなってしまいます。
 大人でも生活習慣病の方には塩分や糖分を控えるようお話させていただいていますが、体の臓器が小さい赤ちゃんは処理する力が未熟なのでもっと薄味を心がけることが必要です。この時期は調味料はほとんど使わず、野菜などの素材の味を感じさせてあげましょう。
 からだを作るための栄養を取ることや病気を予防すること、肥満やむし歯の予防など、成長のために必要な「食事」の基本は離乳食から始まります。成長していく将来を見据えて、大人が必要なものを考えて与えてあげましょう。

挿絵2
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離乳食講習会を開催しています

 町では年に2回程度、離乳食講習会を開催しています。25ページで7月に開催する離乳食講習会のご案内を掲載していますので、ぜひご参加ください。

 
お問い合わせ

安平町役場 健康福祉課
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