(文・山口保健師)
平成29年度も引き続き「こんにちは保健師です」を掲載していきます。介護・成人・母子担当の保健師から皆さんにお伝えしたいことを掲載していきますのでお付き合いください。
4月号と5月号は「認知症」についてお話したいと思います。
認知症とは?
認知症とは、脳の病変により、記憶を含む複数の認知機能が後天的に低下し、社会生活に支障をきたすようになる状態を言い、加齢と共に出現する確率が高くなります。
わが国の認知症患者の数は平成37年には約700万人、65歳以上の約5人に1人がかかると見込まれており、とても身近なものと言えます。
安平町においても、平成27年度に新規で要介護認定を受けた中で一番多かった原因疾患は認知症でした。
■主な認知症
認知症のうち約半数が「アルツハイマー型認知症」です。その他には「脳血管型認知症」、「レビー小体型認知症」などがあります。
(表1を参照)
軽度認知障害とは?
軽度認知障害(MCI)とは、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の低下がみられない状態であり、認知症発症の一歩手前の状態を言います。
年間にして軽度認知障害の方の10~15%が認知症に移行していると言われています。
認知症のような症状が出る病気も
認知症でなくても、似たような症状が出る場合があります。
例えば、頭部外傷による慢性硬膜下血腫や甲状腺機能低下、薬剤によるものなど様々あり、医療機関を受診しなければ分からないものもあります。これらは治療により改善する場合があります。
家族が認知症かなと思ったら
思うように物事を運べなかったり、周りに自分の思いが伝わらなかったりと、ご本人は辛い気持ちでいるものです。
なるべく早めに病院の受診をお勧めします。かかりつけ医や認知症の専門医に相談してみましょう。困った場合はご家族だけで悩まず、ぜひ地域包括支援センターヘご相談ください。