(文・野村保健師)
安平町地域包括早来相談センター(住民生活課内)保健師の野村です。主に65歳以上の方に関わる分野や、早来庁舎で健康福祉に関する手続きなどを行っています。
趣味の家庭菜園は2年目。町民の皆さんに栽培のコツを聞いて工夫しながらも、7月現在の生育状況はやや不良です。安平町にきてから始めた週1回のバドミントンは、空振りしながらも汗をかくいい機会として楽しんでいます。
今年3月号に続き認知症についてお話します。
3月号では、「物忘れが増えた」「認知症化も」と本人や周りの人が気づいたら、すぐに専門機関に受診することで、似た症状の疾患と区別ができたり、より早期の方が治療の効果が期待できることをお話ししました。
今回は、認知症の「予防」についてお伝えします。
認知症の危険因子
肺がんの危険因子はタバコであることが知られているように、認知症にも危険因子があります。
はっきりしているのは歳をとること、女性であること。でもこれは予防できません。
しかし、予防できる危険因子があります。高血圧・糖尿病・高脂血症です。これらの病気を持っていると認知症の50%を占めるアルツハイマー型認知症になりやすいことがわかっています。これらは生活習慣病の代表的な病気ですから、商事や運動に関する日頃の生活習慣を改善することが、認知症予防でもあるといっても過言ではありません。
20代からは年に1度は健康診断を受け、必要な方は食事や運動の指導を受けて改善する、治療が必要な方は医師の指示通り治療をして血管の健康を保つことが認知症予防につながります。
生活の中での発症予防
認知症にはいくつもの研究結果報告があります。発症予防に関するものを何点か紹介します。
①他人と会ったり話したりする機会が多いと、アルツハイマー型認知症の発症が8分の1
②毎日30分程度屋外で太陽の光を浴びる、週に1~2回1時間の運動をしていると、認知症発症が2分の1
③熱中できる趣味があると、アルツハイマー型認知症の発症が3分の1
④野菜を十分摂っていると3分の1、サバやサンマなど青魚をよく摂っているとアルツハイマー型認知症の発症が6分の1
⑤新聞を読む、雑誌を読む、ゲームをする、博物館に行くなど脳を刺激する機会が多くある方は認知症が少ない
まとめてみると、「人と一緒に定期的に楽しく運動する機会を持つ」週間があると、①、②、③の要素があり予防効果がありそうですが、皆さんは運動習慣をお持ちですか?
町内では、各種スポーツはもちろん、フォークダンス、ゲートボール、ペタンク、パークゴルフなど軽スポーツが盛んです。追分地区では毎朝いぶきでラジオ体操が行われており、だれでも気軽に参加できます。
また町の事業では、
★町内外でのウォーキングや健康運動指導士の指導が受けられる「ほっとぬくもり健康倶楽部」「ほっとぬくもり健康倶楽部+α(プラスアルファ)」
★スポーツセンター(せいこドーム)で行っている、水泳教室、水中運動教室、ストレッチ教室、ヨガ教室。2人いれば卓球もできます。
★65歳以上の方がすわりながら筋力アップをする足腰しゃんしゃん教室(ぬくもりセンターでも開催)は、90代の方も含め毎週各地区40人前後の方が集まり開催しています。
以前やっていたスポーツを再開するもよし、体力や好みに合わせて新しく取り組むもよし。運動が不足しがちな冬になる前に、ご一緒にいかがですか?
いつでもご相談を
役場では、地域包括支援センターで認知症に関するご相談のほか、認知症サポーター養成講座や地域見守りネットワークなど、認知症の予防から認知症でも安心して生活を送ることが出来るまちづくりに取り組んでいます。お気軽にご相談ください。