(文・小山保健師)
今月号18ページに各種健康診査・がん検診のお知らせをしていますが、多くの方に受診していただき、糖尿病などの生活習慣病の予防やがんの早期発見など、病気を悪化させること無く元気に暮らしていただきたいと思います。
今月は糖尿病のお話をしましょう。
「症状がないから大丈夫」と思っていませんか?
糖尿病の症状は、「のどが渇く」「からだがだるい」「体重が減る」「尿の量が多くなる」などがありますが、これらはかなり血糖値が高くなってから現れる症状で、初期の段階では気づくことなく、5年、10年かけて悪化していきます。
血液中の糖(ブドウ糖)がおおくなると危険!
血液中の糖が、からだの細胞に入るための鍵の役割をしているのがインスリンホルモンです。
図1のように、インスリンホルモンが糖をからだの細胞に取り込み、エネルギーに変えることで血液中の糖の量を一定に保つことができます。
しかし、食べ過ぎや肥満などが原因で、インスリンホルモンの量や働きに異常が起こると、このしくみを保つことができず、血液中に糖が溢れてしまいます。
血液中に糖が溢れると、からだの中で次の2つのことが起こります。
①たんぱく質と結合して「糖化たんぱく」になり血管を傷つける(動脈硬化)
②インスリンホルモンがなくても、入ることができる目、腎臓、神経の細胞にどんどん入り込み、水を呼ぶ性質から、細胞が水ぶくれになって傷む(糖尿病の3大合併症~網膜症、腎症、神経障害)
健診を受けましょう
初期段階の糖尿病には、自覚症状がほとんどみられません。が、症状が無いからといって、安心はできません。
図2の内の②は、見逃しやすい糖尿病のサインで、糖尿病の方の3人に1人が「病気に気付いていない」といわれています。
まずは、健診を受けて、自分の血糖値を確認しましょう。生活習慣病は、軽症のうちであれば、運動や食事療法、服薬などで、動脈硬化による心臓病や脳血管疾患、目や腎臓病の合併を防ぐことができます。
健診の申し込み、問い合わせは健康福祉課健康推進グループまで。