(文・山口保健師)
2月号に続き介護保険の視点から生活習慣病についてお話します。
今月は「高血圧と生活習慣病」です。
サイレントキラーと呼ばれる高血圧症
表1は、平成27年度に町内で新たに介護認定を受けた方の主病名(主治医意見書で初めに害かれる病名)の順位です。
この中で第5位となっている高血圧は、平成26年には、疾患者が全国で1千万人を超えており、身近な病気の一つと言えます。
高血圧は、血管に圧力がかかり続けている状態のため血管が傷つき、しだいに弾力性を失い、動脈硬化の状態になってしまいます。
表1を見ると、介護認定を受けた方の原因疾患の第1位は認知症で、脳血管性認知症とアルツハイマー病型認知症が大部分を占めており、第3位は、脳血管疾患となっています。この2つの疾患は、血管が傷ついたために起こっている可能性が高いと言われています。
気づいた時には、命をも落としかねない大変恐い病気であることから「サイレントキラー」と呼ばれています。
高血圧にならないために、生活習慣の改善に日ごろから取り組むことが大切です。
疾患名 | 人数 | |
---|---|---|
1位 | 認知症 | 16 (1) |
2位 | 骨折 | 13 (1) |
3位 | 脳血管疾患 | 12 (2) |
3位 | 筋・骨格 (関節症や骨粗しょう症など) |
12 (1) |
4位 | 神経 | 10 (0) |
5位 | 高血圧 | 7 (0) |
生活習慣を改善するには
次のことを参考にして、生活習慣を見直しましょう。
食事の内容を見直す
・塩分を控える…お漬物のような保存食は、とても塩分が高い食品です。継続的に食べるのは控えましょう。
・動物性の脂肪が多い食事は、コレステロール値が上昇し、動脈硬化を引き起こします。
・糖分の摂りすぎは、血糖値を急上昇させ、血管を痛めます。
定期的な運動を心がける
・無理なく続けられる運動が効果的です。歩くことから始めて見ましょう。雪道を歩くのが恐いという方は、お家のお掃除に励むのもいいでしょう。
※腰痛や膝痛がある方は医師の指示に従って運動してください。
ストレスを溜めない
・ストレスは血圧を不安定にさせます。趣味や運動などの時間を作りましょう。
時分の体の状態を知る
1年に1回は健康診断を受け、体の状態を確認しましょう。町が実施する健康診断は無料です。詳細は、広報あびら4月号でお知らせします。
また、家庭用血圧計をお持ちの方は、起床時と就寝前の2回、血圧を測ると良いです。高めの数値が続く場合は、医師に相談しましょう。
今からでも遅くはありません。日ごろからの予防が大切です。
介護や健康に関することなど、気になることがあればご相談ください。