(文・小山保健師)
今月から、成人の生活習慣病予防についてお話ししていきます。
高脂血症とは
8月号の学童編で、「採血した血液を検査容器に入れたら、白い粒(脂質)が浮いていた。」というお話をさせていただきました。おそらくこの子どもは、高脂血症であったと思われます。
血液中の脂質のバランスが悪い状態を「高脂血症」といいます。
具体的にはLDL(悪玉)コレステロールが高い、HDL(善玉)コレステロールが低い、中性脂肪が高い状態を指します。
血管が詰まりやすく、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険度が高くなりますので、生活習慣の改善が必要です。
脂質の役割と基準値を超えたときの症状
それぞれの脂質には下表のような役割があり、生命の維持には欠かせません。高すぎると困りますが、適量も必要です。
区分 | 役割 | 高い(HDLは低い)場合の症状 |
---|---|---|
LDL(悪玉)コレステロール | 身体の細胞やホルモンの材料になる | 材料が余り過ぎて血管がつまりやすくなる |
HDL(善玉)コレステロール | 血液中の余分なLDLコレステロールを掃除して肝臓に運ぶ | 血管の掃除がしにくくなり、つまりやすくなる |
中性脂肪 | 生命の維持や身体活動のエネルギー源としての蓄え | 血液がドロドロになって、血管がつまりやすくなる |
高脂血症を改善する生活習慣とは
まずは、ご自分の血液中の脂質を知ることです。血液中の脂質は、病院や献血などの血液検査で知ることができます。
その結果をもとに、表のポイントを目安に生活習慣を見直してみましょう。
下の表には、コレステロールの高い食品を紹介しています。
おいしいものばかりですよね?「コレステロールが高いからダメダメ」という我慢はかえってストレスになり、気がつくとたくさん食べてしまっていることがあります。
野菜や乳製品を食べるように心がけ、家族や友人とのお楽しみの時には我慢せず、食べた後はウォーキングをしたり粗食にするなど、生活にメリハリつけて楽しく健康を維持しいきましょう。
まずは健康診査を受けましょう
町が無料で実施している健診では、血液検査も行います。
秋の各種健診の申込みを受け付けていますので、16ページをご覧いただき、ぜひお申し込みください。