(文・寺井保健師)
平成24年4月から安平町に就職しました保健師の寺井です。
安平町に来て2年目、主に母子保健を担当し、すくすくと成長していくお子さんや笑顔でお話ししてくれるお母さん方に元気をもらっています。今回はお子さんの歯についてお話をします。
子どもの歯の特徴
乳歯は8,9か月頃、永久歯は5,6歳頃から生え始めます。生えて間もない歯は、歯の質の未成熟さや磨きにくさから虫歯になりやすいため、お手入れが大切になります。
乳歯には、発音を助ける、永久歯が正しい位置に生えるよう誘導するという大切な役割がありますので、乳幼児期のうちからしっかりとお口の中のケアをしましょう。
虫歯になりやすい条件
虫歯菌
赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいません。しかし箸やスプーンを大人などと共有すると、虫歯菌を持っている人から赤ちゃんへ菌が感染し虫歯になりやすくなります。
糖
甘いお菓子やジュースだけではなく、100%果汁飲料や清涼飲料水にも多くの糖分が含まれており、500ml当たり約31g、スティックシュガーに換算すると約10本以上にもなります。
発熱等の脱水時の水分補給時に清涼飲料水を飲むこともありますが、普段から飲むものはお茶や水など当分を含まないものにしましょう。
歯の質
歯の質の強さには個人差がありますが、乳歯は永久歯と比べてエナメル質が薄く柔らかいため、虫歯になりやすい特徴があります。
安平町では子どもの歯の質を強くするためにフッ化物塗布を年2回(春と秋)実施しています。乳児期の歯はフッ素の取り込みも大きく効果的です。詳しい日程やお申し込みにつきましては、広報でお知らせいたします。
時間
糖が口の中に入ると虫歯菌が酸を作り歯を溶かしてしまいますが(脱灰)、唾液が酸を中和すると歯が修復されます(再石灰化)この2つのバランスが良いと虫歯はできにくくなります。しかし再石灰化までには約40分かかるため、おやつの回数や時間が多いと等による脱灰の時間が長くなり、虫歯ができやすくなってしまいます。
おやつは子どもにとって食事だけでは不足する栄養を補うためにも大切ですが、回数と量を決めて与えましょう。
歯磨き
安平町では歯が生え始める時期から、乳児健診等でお口の中のケアの方法を歯科衛生士がお伝えしています。
虫歯予防の基本は歯磨きです。2歳頃から徐々に自分でやりたかがる子もいますが、自分できれいに磨けるようになる(小学生くらい)までは、パパやママがしっかりと磨きや確認をしてあげましょう。
奥から、左からなど磨く順番を決めて順序良く磨いていくと磨き残しが少なくなり、1任で歯みがきをする時期になってからも磨き残しが少なくできます。
そして、歯磨きがきらいな子もがんばって歯磨きができた子も、終わった後にはたくさん褒めてあげてくださいね。
虫歯ができてしまったら
ご家庭でも忙しく時間が取れない、子どもが歯医者を嫌がるなどの理由で、受診するのも大変かと思います。しかし乳歯は虫歯が広がりやすく、また症状が進むと乳歯の虫歯が永久歯にも影響を及ぼすこともありますので、虫歯が進んでしまう前に早めに歯科医を受診しましょう。
最後に
1歳6か月児・3歳児健診の歯科健診の結果をみてみると、安平町の乳幼児の歯の健康状態は、全国・全道と比較しても少なく、とても良い状態にあります。これはご家庭での日ごろの努力の成果です。しかし安平町でも3歳以降から、虫歯を持つお子さんの割合が増える傾向にあります。ぜひ良い歯の状態を維持していってください。
育児に関する困りごとや悩みごとがありましたら、お気軽にご相談ください。お待ちしています。