(文・高保健師)
今回のテーマは「タバコ」です。
実は、北海道の喫煙率が全国1位だということをご存知ですか?
下表のとおり、北海道は都道府県第1位、男性第3位、女性第1位といずれも上位。タバコに甘い土地柄ということがわかります。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
都道府県別 | 北海道 (27.7%) |
青森県 (25.9%) |
福島県 (25.0%) |
男性 | 青森県 (40.3%) |
佐賀県 (39.6%) |
北海道 (39.2%) |
女性 | 北海道 (17.8%) |
青森県 (14.8%) |
埼玉県 (13.1%) |
全国総数 21.6%
男性 33.7%
女性 10.7%
タバコが原因と見られる疾患
皆さんも、テレビや新聞、ネットなどでタバコの害についてはご存知でしょうが、特に代表的なものを表1にまとめました。
保健師としては、ぜひとも止めていただきたい嗜好品であり、禁煙の情報提供や相談対応をしています。
その相談を通して、いつも思うことをお話します。
『タバコをすわなくても肺がんになる人もいる。
吸っても肺がんにならない人もいるじゃないか。』
確かにそういう事例もあります。
しかし、上の表1の病気のリスクは、タバコによって確実に跳ね上がります。
ハイリスクを選ぶかどうかの問題で、誰もが「自分は大丈夫」という根拠のない自信をもっています。
しかし、病気を発症した方からは、
- 症状や治療の苦しみ
- 喫煙や不摂生の後悔
- 家族への申し訳なさ
- 自分の仕事や夢を失った苦しさ
など、後悔の声を聞きます。
タバコの快感と、病気になったときの後悔を天秤にかけてみてください。
受動喫煙予防~吸わない人の身を守る
周りの人は、リスクを選べません。そのため愛煙家の周囲への愛(配慮)が大事です。
タバコの先から出る煙(副流煙)は、タバコのフィルターを通っていなければ、タバコを吸う人の肺も通っていない(人体によるフィルターを通っていない)ため、有害成分が丸出しの状態です。
特に、子どもは抵抗力が弱いため気管支炎喘息になりやすく、また誤って一本飲み込めば死に至るなど一生を左右することもあります。
せめて子どもや妊婦さんに、受動喫煙の環境がなくなることを切に願っています。
分煙は配慮ではない
2007年6月世界保健機関(WHO)は、換気扇の前での喫煙や建物内の分煙には、受動喫煙を防止できないといった「受動喫煙防止のための政策勧告」を行いました。
効果的な方法は、周囲に人がいない屋外での喫煙です。
さらにポイントは、喫煙後に何度も深呼吸し肺の中の有害成分を外に出すということが必要です。家に入り、ご家族が「タバコくさい」と言ったら深呼吸が足りないサインです。
止めたいのに止められないのは、意志の弱さじゃありません
悪者は、ニコチンです。それによって快楽を得られますが、同時にタバコ無しではいられなくする悪魔的存在でもあります。
このニコチンをいきなり止めてしまうと禁断症状が出て苦痛を引き起こします。
今は禁煙補助薬や禁煙外来がありますので、無理せず活用しましょう。費用は月々のタバコ代と同程度です。禁煙したい方は、ぜひご相談ください。