(文・玉井保健師)
今月と来月は、「肝臓」についてお話します。
肝臓の主な働き
肝臓はお腹の右上にある身体の中でも最も大きな臓器で、その重さは体重の50分の1ほどです。その働きの主なものは次の通りです。
①食事で取った栄養を蓄える
②薬やお酒を分解する
③脂肪の消化・吸収を助ける消化液・胆汁をつくる
肝臓はよく働き我慢する臓器です!
上記①~③の他にも、体温の維持や身体の働きを調整するための様々な物質を作っており、生命には欠かせない役割を担い、よく働いている臓器です。
そのため、少しくらい疲れても働きがおちないよう再生能力が高く、無理をしてしまうので、自覚症状が現れにくいのです。
検査で分かる肝臓の働き
健康診断や人間ドックなどの血液検査で、肝臓が元気かどうかがわかります。表1をご覧ください。
肝臓の検査数値が高いとお酒の飲み過ぎと思われがちですが・・・
お酒の飲み過ぎで、肝臓に脂肪を溜め込みすぎる「脂肪肝」が進行して、肝臓が固くなる「肝硬変」になり、さらに進行して「肝臓がん」になる場合があります。
しかし、お酒をのもない人も糖や脂肪の摂りすぎや運動不足や加齢による代謝の低下で、肝臓に脂肪が貯まりやすくなり、お酒を沢山飲む人と同じように肝臓の病気が進行することが明らかになってきました。
お酒を飲まない人も肝臓の監査数値を確認しましょう。
我慢強い肝臓を守るには?
肝臓は私たちが眠っている間も24時間働き続けています。肝臓に負担をかけ過ぎないことが、肝臓を守るポイントです。
表2で肝臓を守る生活習慣のポイントをまとめました。また、お酒を飲む人は、適量を守ることが大切です。適量(1日の目安量)を表3にまとめましたので、参考にしてください。
我慢強い肝臓を守ってあげて、病気を予防して元気でいたいですね。
次回は、肝臓を守るお酒の飲み方をより具体的にお話します。