(文・高保健師)
今回のテーマは、生活習慣病予防…虚血性心疾患です。
読んで字のごとく
虚血性心疾患…文字どおり、(心臓に栄養を送っている)血管の内側が狭くなったり詰まったりして(動脈硬化)、心臓を動かす血が足りなくなる、生死にかかわる病気です。
今回は、私が最近しみじみ感じた2点を取り上げたいと思います。
太は一瞬、やせるは一苦労
11月に3日間の健診業務があり、いつもはお弁当ですがこの時は町内のお店で食べました。
「おいしくて、満腹で幸せ~☆」と大満喫。夕食は控えめにしたのですが…。
体重を測り「ヒョエ~」1kgも増えていました。
その後、いつも以上に野菜中心の食事を心がけ、1週間かけて元に戻しました。
実は安平町国保のデータ(下表)をみると、肥満の割合が道や国よりも高く、さらに要介護認定者における循環器疾患の原因第2位が虚血性心疾患で約45%も占めています。
さらに衝撃なのは、男女とも40代や50代で発症していること!
BMI25以上 | 安平町 | 北海道 | 全国 |
---|---|---|---|
男性 | 37.1 | 35.1 | 29.5 |
女性 | 28.8 | 23.0 | 20.2 |
原因疾患 | 割合(%) | |
---|---|---|
1位 | 脳血管疾患 | 45.3 |
2位 | 虚血性心疾患 | 44.8 |
3位 | 腎不全 | 17.0 |
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
40歳代 | 0.7 | 0.8 |
50歳代 | 4.3 | 1.3 |
60歳代 | 10.2 | 7.4 |
70歳以上 | 11.2 | 14.2 |
肥満は危険度1.8倍
虚血性心疾患は肥満である場合は、ない場合よりも発症する危険が1.8倍になり、高血圧、高血糖、高脂血症が重なることでさらに発症率が高くなります。
太りすぎないよう気をつけるには、日々の努力の積み重ねが大事だなと実感しました。
性格も関係する!?
もう一つは「性格」です。欧米の研究で、タイプA行動パターン(競争的、攻撃的、野心的、機敏、性急、猛烈社員型)を持つ人では、持たない人に比べて、虚血性心疾患発症のリスクが高いとの報告があります。
日本人は「調和」を大事にする国民性があることから、すべてが当てはまるとは言えませんが、実際に発症された方や健康診査を受診された方の話を聞くと、「当たっているかも!?」とひそかに思っています。いつもイライラしたり、すごくストレスを感じる状態が良くないようです。
ストレスを成就に軽減する技を身につけること。
クリスマスに年末年始…と、これからおいしいご飯やお酒の機会に恵まれる時期なので、ぜひ楽しんで気持ちをリフレッシュしましょう。
た・だ・し、食べ過ぎ、飲みすぎも回数を重ねると私のようにあっという間に面白いほど太ります。楽しむときと節制するときのメリハリをつけましょう。
お勧めは、毎日体重計に乗ることです。着替えや入浴時など、週間の一つに組み込むと苦になりませn(食べ過ぎた日だけは勇気がいりますが)。
年末年始は上手に楽しみましょうね。