認知症ケアパス

~認知症になっても住み慣れた地域で暮らしていくために~

認知症ケアパスとは認知症を発症したときに、状態や症状に応じて受けられる支援やサービスの内容を標準的に案内するものです。認知症の人やその家族が住みなれた地域で安心して暮らしていくために「認知症ケアパス」を活用してください。詳しい内容や利用につきましては安平町地域包括支援センターや健康福祉課などにご相談ください。

認知症に早く気づこう

認知症ってどんな病気?

 認知症とは、病気などが原因で脳細胞が死んだり、働きが悪くなったことにより、様々な障害が起こり、生活や対人関係に支障が出ている状態をいいます。
 年齢を重ねれば誰でも、思い出したいことをすぐに思い出せなくなったり、新しいことを覚えるのが難しくなりますが、「認知症」はこのような加齢による物忘れとは違います。
 認知症の種類によって、脳内で起きている変化や変化が起きる場所などが異なり症状も変わりますが、時間の経過とともに重症化していくことは共通しています。したがって、早期発見と早期対応が重要になってきます。

主な認知症の種類と特徴

アルツハイマー型認知症
  • 認知症の半数以上を占める最も多い認知症で、脳の神経細胞が減少し、脳が小さく縮むことにより起こる病気です
  • 最近のことを忘れ、事実とは異なることを話すことがあります
  • 本人が楽観的であまり気にしません
  • 穏やかに進行します
脳血管性認知症
  • 脳梗塞や脳出血などの脳の血管障害が原因で起こる病気です
  • 気分が落ち込んだり、何かをしようとする意欲が下がります
  • 記憶障がいは軽く、人格や判断力は保たれることが多い
  • 動脈硬化の危険因子を抱える男性に多く、脳血管障がいの再発を防ぐことで進行を予防できます
レビー小体型認知症
  • 脳にレビー小体という物質がたまることにより起こる病気です
  • 実際にはいない人や動物、昆虫が見える詳細な幻視や、手の震え、動作が鈍い、転びやすいなどの症状があり、状態に波があります
前頭側頭型認知症
  • 前頭葉と側頭葉の縮みが徐々に進行する病気で、50歳くらいから発病することがあります
  • 自分勝手、非常識な行動をとる、同じ行動を繰り返すなどの症状があります

認知症に早く気づくことが大切なわけ

①治る病気や一時的な症状の場合があります

脳の病気で外科的な処置でよくなる場合や、薬の不適切な使用が原因の場合もあり、正しく調整することで回復する場合があります。

②進行を遅らせることが可能な場合があります

薬の進行を遅らせることができ、早く使い始めると自立した生活を長くすることができます。

③今後の生活の準備をすることができます

早期の診断を受け、症状が軽いうちにご本人とご家族が認知症への理解を深め、病気と向き合い話し合うことで、今後の備えができ自分らしい生き方をまっとうすることができます。

認知症かんたんチェック

このチェックは認知症の初期症状の可能性があるかどうかをご自分や家族で簡単に確認できるものです。(大友式認知症予測テスト~認知症予防財団HPより)

質問項目 ほとんどない ときどきある 頻繁にある
同じ話を無意識の内に繰り返す 0点 1点 2点
知っている人の名前が思い出せない 0点 1点 2点
物のしまい場所を忘れる 0点 1点 2点
漢字を忘れる 0点 1点 2点
今しようとしていることを忘れる 0点 1点 2点
器具の使用説明書を読むのが面倒 0点 1点 2点
理由もないのに気がふさぐ 0点 1点 2点
身だしなみに無関心である 0点 1点 2点
外出がおっくうだ 0点 1点 2点
物(財布など)が見当たらないのを他人のせいにする 0点 1点 2点
合計
点数の目安
0~8点 正常 物忘れも老化現象の範囲内。疲労やストレスによる場合もあります。8点に近かったら気分の違う時に再チェックしましょう。
9~13点 要注意 家族に再チェックしてもらったり、数ヶ月単位で間隔を置いて再チェックを。認知症予防策を生活に取り入れてはいかがでしょうか。
14~20点 要診断 認知症の初期症状が出ている可能性があります。家族に再チェックしてもらい、結果が同じであれば次ページの相談先にご相談ください。

「少し変だな」と思ったら

「少し変だな」と思った時が行動を始めるタイミングです!!

ステップ1:相談

 悩みや相談事があれば、抱え込まずに相談してみましょう。
 相談先は下記のとおりです。

相談先 電話番号 内容
1 安平町地域包括支援センター
早来地区
(0145)29-7072 町が設置する高齢者の総合相談窓口です。
2 安平町地域包括支援センター
追分地区
(0145)25-4555
3 安平町在宅介護支援センター
安平の郷(安平・追分地区)
080-6085-7894 町が委託している24時間相談・訪問対応の窓口です。
4 安平町在宅介護支援センター
ふもんけ(早来・遠浅地区)
090-6879-8957
5 在宅医療介護連携に関する相談
窓口(あびら追分クリニック)
(0145)25-2531 町が委託している、医療と介護の相談窓口です。
6 かかりつけ医 自分の生活や身体の状況を理解してくれる身近なお医者さんです。
7 認知症地域支援推進員
(安平町地域包括支援センター)
早来地区
(0145)29-7072
追分地区
(0145)25-4555
認知症の早期発見・早期対応のため医療機関等と連携しながらご本人や介護する人にとって適切なサービスにつながるようサポートする人です。
8 認知症疾患医療センター
(苫小牧市:医療法人社団玄洋会 道央佐藤病院)
(0144)68-2727 北海道の指定を受け、診断と治療、地域との連携を図ります。
9 認知症疾患医療センター
(千歳市:医療法人資生会 千歳病院)
(0123)40-7111

ステップ2:受診・治療

 適切な診断、治療を受けることがとても重要です。下記を参考にして受診・治療をしましょう。

1) 受診の予約

 予約制を導入している医療機関もありますので、受診前に医療機関にお問い合わせください。
 ※どこの病院を受診したらよいかわからない、予約方法がわからない等の場合はステップ1の機関にご相談ください。

2) 診断

 医師の聞き取りや検査等により診断します。

3) 治療

 薬の処方等治療を開始します。※定期的な受診が必要です。

4) 定期検査等

 定期的に検査や診察を受けながら経過を見ていきます。

ステップ3:生活支援

 介護サービス等をうまく活用し、本人や介護者の生活のリズムを守りましょう。

1) 要介護(要支援)認定申請

 申請窓口: 安平町地域包括支援センター 総合庁舎 (早来)/総合支所 (追分)
 申請に必要なもの:介護保険被保険者証、印鑑
  ※家族による代理申請も可

2) 認定調査

 認定調査員による聞き取りの自宅訪問と主治医の意見書により心身の状態を調査します。

3) 審査判定

 介護認定審査会で要介護度の判定が行われます。
 申請から判定まで約1ヶ月かかります。

4) 介護サービスの利用

以下を参照ください。
 ・介護サービスの種類(在宅サービス)
 ・介護サービスの種類(施設サービス)
 ・介護予防サービスの種類
 ・介護予防・生活支援サービスの種類
 ・地域密着型サービスの種類
 ・その他の介護サービス

5) 介護サービス以外の利用

以下を参照ください。
 ・問い合わせ先

認知症の支援体制

認知症初期集中支援チーム

 認知症サポート医と安平町地域包括支援センター(早来・追分)の保健師・社会福祉士をチームとする認知症初期集中支援チームを設置しています。
 このチームは相談や情報提供により自宅を訪問し、認知症の方や介護している方のサポートを行い介護サービスについてや、必要に応じて医療機関の受診につなげていけるようにしていきます。
 
連絡先 安平町地域包括支援センター
  (早来) 29-7072
(追分) 25-4555

認知症地域支援推進員

 推進員は認知症の早期発見・早期対応のため医療機関、介護サービス事業所、町内会、などと連携して認知症の支援体制づくりを行っていきます。
 また、認知症の方や家族からの相談に応じて、認知症初期集中支援チームと連携して、本人や介護する方にとって適切なサービスにつながるようにサポートしていきます。
 
 連絡先 安平町地域包括支援センター
  (早来) 29-7072

認知症予防のために

①足腰しゃんしゃん教室

 継続的な運動で足腰の筋力を維持し、転倒予防を図ります。早来・追分地区の2ヶ所で開催し、65歳以上で要介護認定を受けていない方や要支援1・2の方を対象に実施しています。

②在宅介護支援センターによる実態調査

 介護認定を受けていない65歳以上の年齢の方を対象に、在宅介護支援センター職員が訪問し、心と体の健康や生活機能の状態等を聞き取りします。健康のお悩みや生活の困りごとに対して介護・福祉サービスの情報提供を含めて、元気に暮らすためのアドバイスを行います。

③各地域自治会等のサロン

 出会いや交流、生きがいの場を提供し、住み慣れた地域で閉じこもりを防止し、健康でいきいきと過ごすことを目的に地域住民グループ等が主体となって開催しています。

④老人クラブ

 会員の教養の向上、健康の増進、社会参加およびレクリエーション並びに地域社会との交流を、年間を通じて計画的に行っています。

⑤各種健診やがん検診

 生活習慣病の予防やがんの早期発見・予防のため、特定健診、後期高齢者健診、各種がん検診等を行っています。

⑥高齢者ふれあい大学

 高齢者が持つ豊かな知識を活かし、社会参加による生きがいを高められるよう、学習の機会を提供しています。/p>

⑦スポーツセンター(せいこドーム)

 水中運動やストレッチなどの健康教室を開催しています。

⑧シルバー人材センター

 臨時的かつ短期的な就業や軽易な業務を中高年に提供することにより、生きがいづくりと社会参加に努めています。さまざまな技術や経験を生かす活動の場を提供します。

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