こんにちは保健師です。

Vol.44 ~認知症と生活習慣病~ 2017年 1月発行

 (文・田畑保健師)

 今月号から3月号までは介護保険担当保健師が、介護保険の視点から生活習慣病についてお話します。
 今月は「認知症と生活習慣病」です。
 まずは右の表をご覧ください。これは、平成27年度安平町で新たに介護認定を受けた方の主病名(主治医意見書で最初に書かれる病名)を表にしたものです。
 平成27年度の要介護認定者数は523名、そのうち新たに認定を受けたのは87名でした。その87名の中で最も多かった原因疾患が「認知症」です。この16名の中には、65歳未満の第2号被保険者の方も1名含まれています。

【表1】
疾患名 人数
1位 認知症 16 (1)
2位 骨折 13 (1)
3位 脳血管疾患 12 (2)
3位 筋・骨格
(関節症や骨粗しょう症など)
12 (1)
※()は、第2号被保険者数

認知症と生活習慣病

 認知症は脳の神経細胞のネットワークがなんらかの原因で壊れてしまうことで生じ、加齢が最も大きな要因です。このため認知症は防ぎようがないと思われがちです。
 しかし、認知症の約2割を占める脳血管性認知症の予防には、糖尿病、高血圧や高脂血症、肥満などの対策がとても有効です。
 また、認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病でも運動をはじめとする生活習慣病対策が、発症のリスクを減らすと示されています。特に楽しく運動することは、脳のアルツハイマー病変を弱めたり、記憶をつかさどる海馬という脳の働きを高めることが示されています。
 認知症の発症を完全に防ぐことは困難ですが、生活習慣(運動や食事)に気を配ることで、発症や進行を遅らせることが期待されています。

脳の活性化を図る

 認知症になると低下しやすい「計画力」「注意分割」「エピソード記憶」の3つの機能があります。普段からこの3つの機能を鍛えておくことも予防には大切です。脳の活性化にはいろいろな方法がありますが、大切なことは楽しく行うことです。できそうなものを、できそうな時に取り入れてみてください。
 
 認知症に関わらず健康に関することなど気になることがあれば、安平町地域包括支援センターヘご相談ください。

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