(文・杉田保健師)
健康福祉課保健師長の杉田です。
3月は全国的に自殺が多くなるため自殺予防月間とされていますので、今回は心の健康をテーマに、現代社会において逃れられないストレスと自殺の危険についてお話します。
現代社会とストレス
複雑でめまぐるしく変化する現代社会に生きる私たちは、仕事や育児、介護などの過重な負担、集団生活の中での人間関係など、ストレスを受けやすい状況にあります。誰にでもストレスはあり、それを完全に取り去ることはできません。
ストレスが長引くと徐々に抵抗力が失われ、心身が疲弊していきます。ストレスを原因とした「疲れやすい」「身体がだるい」「腹痛・下痢・便秘」「眠れない」「イライラしやすい」などの症状は、防御反応の現れでもあります。
こころの疲れが引き起こす病気「うつ病」(気分障害)
環境の変化などストレスが重なり気分は落ち込み、何をやっても楽しくない、何もする気が起きないというようなことは誰にでも起こります。
このような状態が続き、回復の兆しが見られないような状態をうつ状態といい、2週間以上続く場合はうつ病の可能性があります。
うつ病は、誰でもかかる可能性があり早期発見、早期治療が大切です。十分に休養して適切な治療を受けることで回復しますので、早めにこころの専門医に相談してください。
こころの疲れに気づいたら
こころの病気も身体の病気と同じで、早く気がつけば悪化を防ぐことができます。「いつもと違うな」というようなこころの不調に気づいたら早めに対応しましょう。
まず、誰かに話してみましょう
会話によって、思いを打ち明けることでほっとしたり、自分ひとりでは気づけなかったことを発見することができます。
相談は、家族や友人など身近な人、また、医療機関や相談機関などもよいでしょう。
※医療機関の受診に抵抗を感じる方は、こころの相談窓口などをご利用ください。
○北海道苫小牧保健所 TEL 0144-34-4168
○苫小牧地域生活支援センター TEL 0144-75-2808
○北海道立精神保健福祉センター「こころの電話相談」 TEL 0570-064-556
○北海道いのちの電話 TEL 011-231-4343
自殺のサインを見逃さないで
日本における自殺者の数は平成10年以降14年連続で年間3万人を超えていました。年齢別の自殺者数では60歳代が最も多く、男女別では40~60歳代の男性で自殺者全体の約4割を占めています。
安平町の現状
安平町でも例外ではなく、平成24年において自殺は死因の第5位となっています。
自殺理由の第1位は、全国的にも健康問題が最も多く、その6割は精神疾患で、中でもうつ病がかなりの割合を占めています。
自殺は防げる
自殺を考えている人は、悩みながらもサインを発しています。
自殺を考える人が事前に専門医などに相談している例は少ないようですが、周囲にサインを発していることは多いのです。「生きていてもしかたがない」といった、自殺をほのめかすような発言や気配を感じることがあったら、つぎのように対応しましょう。
①絶対に1人にはしない。
②危険なものは近くに置かない。
③話をじっくり聞く。助言は不要。聞き役に徹する。
④本人が信頼している人に連絡し協力を得る。
⑤専門医に連絡し支持を仰ぐ