(文・伊藤保健師)
今回は、「子どもの成長とことば」がテーマです。
お子さんが言葉を話すようになるまでには、体の成長やことばを話すための体の準備が必要になります。そしてことばを理解し覚えていくために、周囲の大人との関わりがとても大切になります。
お子さんが言葉を話すまでに大切なこと
ことばを覚えてもらうためには「生活」を基礎にした関わりを大切にしましょう。
生活のリズムを整える
ことばを話すための舌の唇の動き、そして呼吸なおでゃ、すべて脳によってコントロールされています。その脳の発達を促すためには、生活のリズムを整えることが一番の基礎になります。そのため、日頃からお子さんが十分な睡眠が取れるよう、早寝早起きを心がけましょう。
手をつかった遊びをする
ことばをつかさどる大脳と手の動きは密接に関わっています。そのため、おもちゃや道具を使って遊ぶことはことばの発達を促すことにつながります。また、年度遊びや砂場での遊びなど、感触が変化する素材でもたくさん遊ばせましょう。
よく噛んで食べる
正しく言葉を発音するために、口周りの筋肉を使い、鍛えることが必要です。離乳食で食べ物の硬さの段階を踏み、固形物が食べられるようにしていくことも、実は口周りの筋肉を鍛えることにつながっています。
離乳食が完了した後も、歯ごたえのある食材(野菜スティックなど)を食事に取り入れるなど、口の周りの筋肉を鍛えましょう。
離乳食が完了した後も、歯ごたえのある食材(野菜スティックなど)を食事に取り入れるなど、口の周りの筋肉を鍛えましょう。
生活の中でことばを覚えるために
ことばを覚えさせるために話しかけるのではなく、育児の中で声かけを大切にしましょう。
子どものお世話をする時、例えば寝る時は「ねんねしようね」など、その動作にあわせた声かけは子どもの頭の中にも入りやすく、言葉がより覚えやすくなります。
また、日々の育児の中で繰り返し伝えることで、お子さんも徐々にことばを理解するようになります。
声をかけるときのポイント
・話すスピードはゆっくりと
・はっきりとした発音で伝える
・口の動かし方を見せる
・指差し、ジェスチャーを取り入れる
…など
・はっきりとした発音で伝える
・口の動かし方を見せる
・指差し、ジェスチャーを取り入れる
…など
ことばを話すようになったら
ことばを上手に話せるようになっても、自分の気持ちをすべて伝えられるわけではありません。
そのため、子どもの気持ちや伝えたいことを「○○だから、悲しいんだね」などと、代弁してあげるような関わりを大切にしましょう。そうした関わりを通してお子さんたちも、自分の気持ちの伝え方を学んでいきます。
発音が気になるとき
お子さんの発音が正しくなるまでには、個人差があります。そのため、あせらず正しい発音でことばを伝えながら様子を見ていきましょう。
私たち保健師もお子さんの健診の中で、耳の聞こえや発音について様子を見させていただいていますが、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。