(文・辻原保健師)
健康福祉課健康推進グループで、オトナの健康に関する事業を担当している辻原です。主にがん検診や健康診査、健康教室、精神保健など担当しています。
9月1日から10月31までは「北海道がん征圧・がん検診受診促進月間」です。がんを知り・がんと向き合い・がんに負けない社会の実現に向けた様々な取り組みが行われます。
2人に1人が、「がん」?
日本の死亡原因の1位は「がん」。厚生労働省の研究によると男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんにかかっています。この30年ほどで、新たにがんと診断された人は約3~4倍に増えています。
「がん」ってどんな病気?
がんは英語でCancer。これには蟹という意味もあります。がんをはじめに蟹にたとえたのは古代ギリシアの医師ヒポクラテス。がんの塊をスケッチに残し、「蟹のような」と残しているとのこと。
人間の体は多くの細胞からできていて、傷ついた遺伝子を治したり、異常な細胞が増えるのを抑えたり、取り除く仕組みがあります。そして血管などに入り込み、全身に広がって体を弱らせてしまいます。これが、「がん」です。
「がん」は予防できる?
がんはその部位によっては生活の仕方によって「なりにくくする」ことができます。その代表が喫煙です。このほか飲酒、食塩、運動不足、肥満、ウィルスが挙げられています。(出典 : WHOによる「食物、栄養と慢性疾患の予防」)
オトナの嗜好品・タバコ
昔の映画やドラマには、大人の男性がタバコを吸うシーンがありました。思春期に、タバコを数個とは大人でかっこいいというイメージがあったのは私だけではないと思います。(年代によって差がありますか?)でも、最近はあまり見ませんね。「禁煙した」という話もよく聞くようになりました。(百害あって一利なしですから。)
平成23年の北海道のがん死亡数が一番多い部位は肺。これは、安平町も同じ傾向にあります。肺がんのリスクを確実に上げるといわれているものが喫煙です。
喫煙は、がんの原因において、最も予防可能なものといわれています。がんで死亡する方のうち、男性40%、女性5%が喫煙だといわれています。がんを予防しようと思ったら、タバコを吸わないことと、タバコの煙を吸わないことが重要です。(危険な場所は喫煙所!)
タバコをやめると、心臓や、肺の病気、脳卒中にかかる可能性が下がります。また、肌の調子がよくなるとも言われていて、一石二鳥?三鳥?ですね。
がんに負けないために
2人に1人がかかるとなると珍しい病気ではありません。でも、気づかないうちに進行してしまうからやっかいです。
この病気は早く見つけて、早く退治することが大切です。そのためにはがん検診を受けることが重要です。
平成23年度の安平町のがん検診受診率は、胃がん9.7%、肺がん26.3%、大腸がん11.8%、子宮11.8%、乳がん17.5%です。(職場で受けている人もいると思いますが、ちょっと少ないですよね)
今年度は、10月に乳がん検診(ぬくもりセンター)、10から11月にかけて札幌がん検診センター健診(札幌がん検診センター)、11月に総合バス検診(保健センター、ぬくもりセンター、安平公民館)と子宮がん検診(保健センター、ぬくもりセンター)があります。
詳細は14ページでご案内していますので、ぜひお申し込みください。
禁煙、がんの悩みなどさまざまなご相談にのることもできますので、お気軽に保健師に声をかけてくださいね。
最後に…ピンクリボン
乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進することなどを目的に、世界規模の啓発キャンペーン、そのシンボルのことです。どこかで見かけることがあるかもしれません。その時はぜひ応援してください。