こんにちは保健師です。

Vol.58 ~自殺対策強化月間~ 2018年 3月発行

 (文・玉井保健師)

 国では毎年3月を「自殺対策強化月間」と定めています。
 日本の自殺者数は、年間およそ2万人で、以前と比べて減ってきてはいますが、先進国の中では依然として高い水準で、安平町では平成19年から28年までの10年間で25人の方が亡くなっています。
 自殺は、とても残念で悲しい出来事ですし、社会にとっても大きな損失です。今回は自殺予防についてお話します。

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ひとりで悩まないで相談を

 うつ病などの「こころの病気」が隠れていることが多いと言われています。
 表1は自殺の危険を現すサインとして、特に注意すべき点を、厚生労働省で「自殺予防の十箇条」としているものです。これらの兆候が数多く認められる場合は、精神科の受診が必要かもしれません。ご自身にサインがあった、またはご家族や友人などの大切な方のサインに気づいたら、ひとりで悩まず、下記のこころの健康に関する相談窓口をご利用ください。

挿絵2

表1 自殺予防の十箇条 出典:厚生労働省「職場における自殺の予防と対応」

① うつ病の症状に気をつける ※1
② 原因不明の身体の不調が長引く ※2
③ 酒量が増す
④ 安全や健康が保てない ※3
⑤ 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
⑥ 職場や家庭でサポートが得られない
⑦ 本人にとって価値のあるものを失う ※4
⑨ 自殺を口にする
⑩ 自殺未遂に及ぶ

※1  自分で感じる症状として、「気分が沈む、イライラする、眠れない、集中力がない、好きなこともやりたくない、物事を悪い方へ考える、決断できない、自分を責める」などがあり、身体に出る症状として、「食欲がない、便秘がち、身体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、動悸、胃の不快感、めまい、喉が渇く」など。
また、周囲の人が見てわかる症状は、「表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着きがない、飲酒量が増える」など。

※2  ※1と同様の身体症状の他、以下のようなものがあります。
頭重、めまい、味覚異常、首や肩の凝り、胸部圧迫感、心悸亢進、食欲不振・体重減少、腹痛、下痢、月経異常、手足の痛みやしびれ、知覚異常など。

※3  例えば、「糖尿病があってもきちんと自分で管理してきた人が、食事・運動療法や服薬をやめてしまう。」「温和な人が酒の席で大げんかをする」など。

※4  その人にとって特別な価値のあるもの、家族、仕事、社会的地位などですが、全ての人にとって同じような打撃になるのはなく、個々人にとっての意味をよく考える必要があります。

心の健康に関する相談窓口

安平町役場健康福祉課健康推進グループ 保健師 ☎25-2425
(平日)8時30分~17時15分
苫小牧保健所こころの健康相談 ※精神科医による相談(予約制) ☎0144-34-4168
(平日)8時30分~17時30分
北海道いのちの電話 ☎011-231-4343(24時間/365日)
 毎月10日のみの通話料無料ダイヤル
☎0120-783-556(8時~翌朝8時まで)
こころの電話相談(道立精神保健福祉センター) ☎0570-064-556 (月~金:9時~21時)
(土日・祝:10時~16時)
 
お問い合わせ

安平町役場 健康福祉課
〒059-1595 北海道勇払郡安平町早来大町95番地
TEL : 0145-29-7071(健康推進G)
TEL : 0145-29-7072(国保介護G)

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