(文・杉田保健師)
3月は自殺予防月間です。
日本の年間自殺者数は、平成10年に3万人を超えて以降、高い水準で推移しています。自殺は本人だけの問題ではなく残された家族、友人などに深い影響を与えます。安平町においても平成23から27年の5年間に7人の方がなくなっています。
今回は、自殺予防についてお話します。
自殺はさまざまな悩みにより心理的に追い込まれた末の死です。決して特別なことではなく、誰にでも起こりうる命の危機なのです。
大切な人の悩みに気づいてください
気づき
気持ちや体調の異変はストレスがたまってあふれそうという体からの警告です。
自殺に追い込まれる人は、何らかのサインを発しいることが少なくありません。家族や仲間の変化に気づき声をかけましょう。
「最近、眠れてる?」
「どうしたの?元気がないね。」
「何か心配ごとでも?」
「良かったら話してみて…
など、本人に「あなたは一人ではない」と理解してもらうことが大切です。
傾聴
話をじっくり聞き、肯定的に理解すると、安心感が生まれ、本来の時分を取り戻すことが出来るようになります。
話をそらしたり、一方的に説得したり、相手の言い分を否定することは避けましょう。
大切な人の心の病が心配されたら迷わず病院の受診を勧めてください。
心の病は、治療により回復することが多いのですが、無理を重ねると長引くことになりかねません。
「心の病」と診断されたら、まずは、ゆっくり休ませてあげましょう。その時「何が原因なの?」などと本人を質問攻めにするのは逆効果です。また、「がんばれ!」などの励ましや「大丈夫だよ。」と安易な解決策は、本人を追い詰めることになる場合もありますので使わないようにしましょう。
つなぎと見守り
自殺者の9割以上が何らかの病気にかかっていたとされ、「うつ病」「アルコール依存症」「薬物依存症」などは、特に自殺に結びつきやすいといわれています。
経済的な問題や生活支援が必要な場合、また、医療が必要な場合は、支援につなげるために専門機関に相談することが大切です。専門家と連携した後も今まで通りの自然な雰囲気で接し、声かけするなど温かく見守りましょう。
一人で抱え込まないで
悩み事は抱え込まないことが大切です。悩んでいる本人はもちろん、家族や悩みを打ち明けられた人も、内容がデリケートで誰にでも相談できずに困っていることもあるかもしれません。
わからないことや迷っていることがあったら専門機関に相談してください。
心の相談窓口 | |
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相談機関・電話番号 | 相談時間等 |
こころの健康相談 統一ダイヤル TEL 0570-064-556 |
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苫小牧保健所 TEL 0144-34-4168 |
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