(文・小山保健師)
健康福祉課国保・介護グループで健康診査を担当している小山です。
最近、3kgの体重減少を目指して、食事と歩数と体重を毎日記録して食べすぎや運動不足をチェックしています。
私からは、安平町の健康診査に関する実態について、皆さんにお話します。
健康診査の受診率
町で実施している40歳から74歳までの安平町国民健康保険加入者の健康診査受診率は、下の通りです。
●安平町 31.3%
北海道 24.0%(平均)
国 33.7%(平均)
※平成24年度 国への報告数値より
北海道の平均よりは高いですが、全国平均を下回っていることがわかります。
国は市町村に対し健康診査受診率の60%達成を課しており、その理由は、これ位の受診率がないと、健康診査の目的である心臓病や脳卒中などの生活習慣病が重症化した上で発症する疾患の予防効果が不十分であるからです。
では、安平町の重症化の状況を見てみましょう。
安平町の重症化の状況
下表2は重症化下方の状況を高度な治療(高額な治療費)順にまとめたものですが、13名中、半数の7名の方が予防可能な脳卒中や心臓病、動脈硬化性疾患でした。さらに、この7名は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の治療をしていましたが、健康診査は未受診でした。
血管は5年~10年の年月をかけて傷んでいきます。治療をしていても、食事や運動などの生活習慣を振り返り、見直しをすることが大切です。
このようなことからも、治療中であっても健診を受診して検査データを手元に残して経年的に数値の変化を見て行うことが必要です。
今年最後の健康診査(11月、12月実施)の申し込みを受付中です。詳しくは広報笑顔10月号をご覧いただき、受診がお済みでない方はぜひお申し込みください。
(平成25年度診療報酬明細 200万円以上の費用額分の分析結果より)
費用額(万円) | 病名 | 健康審査受診歴 | 生活習慣病治療歴 | |
---|---|---|---|---|
1 | 450 | その他の疾患 | ● | |
2 | 420 | 動脈硬化性疾患 | ● | |
3 | 360 | その他の疾患 | ||
4 | 308 | 脳卒中 | ● | |
5 | 305 | 心臓病 | ● | |
6 | 304 | 心臓病 | ● | |
7 | 295 | その他の疾患 | ● | |
8 | 271 | その他の疾患 | ● | ● |
9 | 231 | 心臓病 | ● | |
10 | 221 | 心臓病 | ● | |
11 | 217 | 脳卒中 | ● | |
12 | 211 | その他の疾患 | ● | ● |
13 | 201 | その他の疾患 | ● |
重症化予防のために
肥満にプラスして高血圧・高血糖・脂質異常のいずれか1~2個が該当した「メタボリックシンドローム」(いわゆる「メタボ」)は自覚症状がないうちに血管の傷みが進み、重症化すると脳卒中や心臓病の発症の危険度が高まっていきます。
昨年、40歳以上69歳以下の町の健康診査受診者で「メタボリックシンドローム」に該当または予備群該当者で高血圧症などの治療をしてない方21名を対象に、糖尿病の詳しい検査と上下肢の血管の硬さを見る検査、「動脈硬化予防健診」を行ったところ、16名の方に所見が見られました。
健康診査結果が肥満のほかに血糖や血圧の数値が高めの方が、この予防健診でより詳しい検査をすることで、境界型も含め糖尿病がある方は12名、動脈硬化のある方が4名いることがわかりました。
今年もこの動脈硬化予防健診を行います。対象となる方には保健師が個別にご案内しますので、ぜひ受診してください。一緒にメタボ改善の糸口を見つけていきましょう。
健康診査結果 | 動脈硬化予防健診結果 | ||||
---|---|---|---|---|---|
高血圧 | 脂質異常 | 高血糖 | 動脈硬化 | 糖尿病 | |
1 | ● | 境界型糖尿病 | |||
2 | ● | ● | 境界型糖尿病 | ||
3 | ● | ● | ● | ||
4 | ● | ● | ● | 境界型糖尿病 | |
5 | ● | 境界型糖尿病 | |||
6 | ● | ● | 境界型糖尿病 | ||
7 | ● | ● | 境界型糖尿病 | ||
8 | ● | 境界型糖尿病 | |||
9 | ● | ● | |||
10 | ● | ● | ● | ● | |
11 | ● | 境界型糖尿病 | |||
12 | ● | ● | ● | 糖尿病 | |
13 | ● | 境界型糖尿病 | |||
14 | ● | ● | ● | ||
15 | ● | ● | ● | 糖尿病 | |
16 | ● | 境界型糖尿病 |