(文・大塚保健師)
安平町地域包括支援センター(健康福祉課国保・介護グループ)保健師の大塚です。主に65歳異常の高齢者に関わる分野を担当しています。
今回は、高齢化の現状をお伝えし、一つひとつ年をとっても自分らしく・永く・元気に生活できるための工夫についてお話します。
安平町の高齢化の現状
日本の高齢化率は年を追うごとに進み、現時点で25%を超え、約4人に1人が65歳以上の高齢者という時代になりました。安平町も例外ではなく、今年の10月末で33%を超え、約3人に1人以上が高齢者という現状です。(下図1) また、2025年には日本全体で3人に1人以上を占めると予想され、安平町も更なる高齢化が予測されます。
加齢に伴う『からだ』の変化
私たちは加齢に伴い、筋力低下やそれによる関節痛の発症、物忘れ、気持ちの落ち込みといった心身面であらゆる機能の低下が起こってきます。そのような症状が出始めると、外出を控えるようになり、人との交流が減ってしまい、次第に自宅に引きこもりがちになり、更なる心身機能の低下が起こり始めます。
これは、加齢と共に誰もが陥りやすい悪循環であり、この流れを繰り返すことで、転倒しやくなり骨折の危険性が高まったり、認知症を発症し生活に支障をきたしてしまいます。
私が過去に訪問させていただいた中でも同様の傾向を持つ事例があります。
自宅の中での行動には限りがあるため、次第に筋力が落ち、横になって生活する時間が増え、他人との会話も無いために認知機能が低下し退職から数年後には認知症を発症したのです。
結果この方は、介護認定を受けて介護サービスを利用することとなりました。
こういった事例はまれではなく、介護認定を受ける最初のきっかけとして多いように思います。さらに高齢化が進み、支援してくれる若い世代が少なくなる今後を考えると一人でも多くの方が元気な生活を続ける行動を自らとっていく必要があります。
自分らしい生活を続けられるために
身体・認知機能は加齢とともに低下はしますが、早い段階で対策を講じることで機能低下の予防もしくは改善することが期待できます。
先ほど説明した「これ医者が陥りやすい悪循環」を辿ると、元気でいるための条件に
①身体
②こころ・精神
③人との関わり(社会性)
の3つの機能を維持する必要があります。
3つの条件を満たすために、特別なことをする必要は無く、朝のラジオ体操や家族・友人・近所との交流を少し増やしてみるだけでも十分な効果が得られます。 さらに安平町では介護予防を目的に『足腰しゃんしゃん教室』を実施しています。運動が主体の教室ですが、参加者によっては、他参加者やスタッフとの交流を楽しみに参加している方もいます。この他にも町が行う事業があるので、「今までお家にこもってばかりだったなぁ。」と思う方が、これを『きっかけ』に自分のための健康づくりをしませんか。
第3期の教室のご案内は、広報笑顔(スマイル)12月号でお知らせしますので、ぜひお申し込みください。