こんにちは保健師です。

Vol.38 ~幼児期の生活習慣病~ 2016年 7月発行

 (文・辻原保健師)

 6月号は赤ちゃんの健康についてお話をしましたが、7月号では、1歳から就学前までの「幼児期」についてお話しします。

幼児期ってスゴイ!

 幼児期の成長には驚かされます。生まれたとき4頭身だった体は、6歳では6頭身にまで成長し、体格もさることながら運動や精神の発達はさらに驚きます。

運動神経は遺伝じゃない?

 幼児期は神経機能の発達が著しく、5歳頃には大人の8割程度にまで発達します。そのため、タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたりする、運動を調節する能力が顕著に向上する時期です。これは新しい動きを身につけるときに重要な働きをする能力であり、運動発達の基盤を作る重要な意味があります。
 運動ができる子は、遺伝だけではなく幼児期にたくさん体を動かして遊ぶことで作られるのです。

価値観が作られる

 この時期は、周りの大人が与える環境によって大きく左右されます。食習慣や生活リズム、善悪の考え方など大人の価値観を取り込んで判断していきます。また、子ども同士の社会の中でもコミュニケーションカをつけたり、社会のルールを学び、価値観として作られていきます。これらは、その後の生きる力に直結しています。

子どもの肥満

 肥満は生活習慣病の原因になります。これは動脈硬化を促進し、将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクを高めます。
 子どもの肥満は大人の肥満のもと。特に年長児の肥満ほど大人の肥満に移行しやすいことがわかっています。思春期になると、身長が伸びて体格が形成されてしまうことや肥満を引き起こす生活習慣が定着してしまうことから、元に戻すことが難しくなります。

挿絵1

周りの大人の心がけ

 文部科学省が推進する『早寝早起き朝ごはん』に代表される「体をよく動かし・よく食べ·よく眠る」を大人も心がけましょう。

①早寝早起きの生活リズムを整える

 子どもの睡眠時間は10時間が理想です。睡眠中に成長ホルモンが分泌するため、しっかり眠ることは成長に欠かせません。

②しっかり体を動かして遊ぶ

 体を動かすことは、運動神経の発達につながるだけでなく、体力をつけることで感染症から身を守る抵抗力がつきます。また、摂取したエネルギーを消費し、肥満の予防につながります。

③野菜中心の和食を良く噛んで

 野菜中心の食事は、必要な栄養素を十分に取れるだけでなく、肥満予防につながります。また、良く噛むことで顎の発達を促して歯並びを良くしたり、口の周りの筋肉を鍛えて発音を良くする効果があります。

④おやつやジュースは控えめに。時簡と量は大人が決めて

 子どものおやつは、1回の食事では取りきれない栄養の補給に、重要な役割を担いますが、多過ぎると肥満やむし歯につながります。

自分の体の変化をつかむ感覚を育む

 毎日健康に過ごすことは生きていく基本になります。この時期は健康的な生活を送るための力をつけていくのに重要な時期です。
 例えば、帰宅したら手洗いうがいをする、きちんと3食食べる、歯を磨く、排便の状態をチェックする、十分に眠るなど大人から見れば当たり前に感じることも価値観が作られるこの時期に身につく「習慣」です。風邪を引いたら薬を飲めば良いと考えるだけでなく、自分の体調がわかり、食事や生活との関連に気づいて見直すことができるような力をつけていくことが大切です。

 
お問い合わせ

安平町役場 健康福祉課
〒059-1595 北海道勇払郡安平町早来大町95番地
TEL : 0145-29-7071(健康推進G)
TEL : 0145-29-7072(国保介護G)

先頭に戻る