こんにちは保健師です。

Vol.57 ~続・しつけ~ 2018年 2月発行

 (文・辻原保健師)

 先月から引き続き「しつけ」について第3弾です。
 前回は体罰は百害あって一利なし、人類の脳は「集団保育」に適応するよう発達してきたため、ママ友や祖父母と交流しながらの子育てがスムーズという内容でした。
 今回は第1弾でも触れましたが子どもの個性としつけについてお話ししたいと思います。

「しつけ」は愛!

 親は子どものことを考え、子どもが社会のルールや価値を身につけて生きやすくするためにしつけをしますよね。その土台は愛情。親子の安定した安心できる信頼関係があった上で、はじめて親が伝えたいことを子どもが受け入れられるのです。
 しつけを始めるのは自我が芽生える1歳半ごろからのイメージが強いようですが、しつけの始まりは0歳からです。危険を伝え、「あなたは大切な子ども」であることを伝えて愛情のある信頼関係を作っていくことが大切になります。

挿絵1

子どもの「やらない」には理由がある

 「何回言っても言うことを聞かない」ということがありますよね。では、どうしたら良いのでしょうか?その答えは子どもにあります。
 反抗期で、自分の気持ちを分かってくれないからその反抗、言われたことのイメージができないなどの発達がゆっくりペース、衝動性が強くて注意力が散漫など。子どもには個性があります。A君とBちゃんの性格や発達の経過はまったく同じではないのに同じ関わり方が良いとは限りません。
 できないこと、やらないことだけに着目するのではなく、なぜできないのか、やらないのかを子どもの行動を観察して見極めることが大事な一歩になります。その理由が分かれば、関わりのヒントになります。

挿絵2

しつけの方法は十人十色

 子どもに個性があるように親も同じく個性があり、AさんとBさんが同じ関わりをできるわけではありません。
 だから、しつけも十人十色。先ほどの「何回言っても聞かない理由」で、反抗であれば怒る前に本人の気持ちを聞くこと、ゆっくりペースであれば早く準備をして待つ時間を長く取ること、注意力散漫であれば、やることを本人に復唱させて確認するなど子どもの個性に合わせて関わることが成長につながります。

それでもしつけにはコツがある!

 しつけの方法は十人十色とはいえ、しつけにはコツがあります。下表に関わり方をまとめましたので、意識してみましょう。
 成長がゆっくりであれば、年齢だけで考えて今の発達より高度なことを求めても難しいものです。子どもの成長や関わり方が心配になったり、子育てにつらくなったときはぜひご相談ください。一緒に考えましょう。

挿絵3
子育てに体罰や暴言を使わない 体罰や暴言は「虐待」へとエスカレートする可能性もあります。
子どもが親に恐怖を持つとSOSを伝えられない 親に恐怖を持った子どもは気に入られるように、親の顔色を見て行動するようになります。
爆発寸前のイライラをクールダウン イライラが爆発する前に、クールダウンするための、自分なりの方法を見つけておきましょう。
(深呼吸、数を数える、窓を開けて風に当たるなど)
親自身がSOSを出そう 育児は1人で抱え込まず、家族や友達との交流、一時預かりなどのサービスの利用も考えてみましょう。
子どもの気持ちと行動を分けて考え、育ちを応援 「わがままな子になっては困る」という思いから、親は指示的に対応してしまうこともありますが、子どもの成長過程で必ず通る道だとおおらかに構えて、子どもの意思を後押ししていきましょう。
 
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